【しげをサイエンス】凡人・凡骨であることの幸せ
購読者の皆様、本日も当コラムにごアクセスいただき誠にありがとうございます。
しげをです。
本日のテーマは『凡人・凡骨であることの幸せ』といういつもとは少し趣の変わったテーマで切り込んでいきます。
皆さんは後世に名前が残るような有名人になりたいと思ったことはありますでしょうか?少なくとも人生で1度は誰しも有名になりたいと思うことでしょう。ただ、私個人的には有名になることは幸せなことではないと思うのです。
なぜそのような考えに至ったのか、下記に述べているので見ていきましょう。
1、偉人達が有していた精神疾患
まず先に結論を言ってしまおう。
それはずばり
”有名人は精神病になって死んでしまう”
ということに他ならない。
皆さんはこのおっさんのことをご存知だろうか?
この人はイギリスウィンストン・チャーチルというイギリスを第二次世界大戦勝利に導いた英雄と呼ばれる元英国首相であり、ピースサインの生みの親とも言われている人物である。映画にもなったし知ってる人も案外多いのではないだろうか?
このチャーチルは全世界の人がイギリスの英雄であると認識している誉高い人物だが、実は長い間うつ病に苦しんでいたことをご存じであろうか?
チャーチルは第二次世界大戦中に何も恐れず、むしろ戦争を楽しんでいるかのようであったと、何かの本に書いてあったが、明らかにこの時期、彼は精神状態であれば躁状態であったのではないかとおもわれる。しかし、この前後では鬱状態に苦しんでいたのであり、イギリスにとってチャーチルがこの時期躁状態であったことは大きな幸運であったと言えるのである。
次にこの2人のおっさんを見て欲しい。
この二人は、左から作曲家のシューマン、詩人のゲーテという著名人の方々である。この方々は双極性障害(躁と鬱が交互に繰りし襲う精神疾患)に苦しんでしまい、シューマンに至っては自殺未遂を起こし、最後は精神病院で死亡している。
詩人の場合の自殺率は一般に鬱期に非常に高く、通常人の5から18倍ともいわれている。このような精神疾患の特徴は躁状態と鬱状態が交互に来るということである。
偉人と呼ばれる人は、躁の時に凡人では成しえないような偉大な芸術作品を数多く残し、鬱の時には何もしないということを繰り返す人が多いのである。シューマンの場合、軽躁期の作品数は重度鬱期の約10倍にも達し、通常の精神状態の時に比べても3から5倍もの作品数に達しているのである。
2、偉大な芸術作品の代償
このような偉人達によって創造された行動や創作活動は躁期のうちの特に”軽躁”という時期に爆発するのであるが、その後には必ず、鬱期が訪れるのである。
この鬱期は偉人たちにとって、大変苦しいものであることは歴史的な調査により明らかにされている。この時期は気分は落ち込み、創作活動はほとんどできず、深刻な場合は自殺を考えるようになるのである。
我々凡人は偉人たちが躁期の時に成し遂げた凡人ばなれした業績に対してあこがれるが、偉人たちが鬱期にどれだけ苦しんだかを知ることはあまりないのである。
このような気質は何からくると言えば、一番大きな要因は遺伝的なものと言われている。つまり、生まれつきなのである。芸術家は家系の中に、芸術家の親族が多いということからも、遺伝的なものが大きな要因であるということはうなずける。
3、凡人が偉人をまねる事の危うさ
凡人と言われる我々は、このような精神疾患は有していない。
つまり、躁状態も大きくないし、逆に、鬱状態も精神疾患と言われるほどには大きくならないのである。
しかし、凡人が偉人と同じになりたいと願い、偉人と同じ状態に近づけるために使うのが薬物である。特に、創作活動が異常に活発になる躁状態を薬物で作り出すのである。
一例を挙げると、ジャズ演奏者が薬物中毒が多いことが挙げられる。ジャズ演奏者に特に薬物中毒が多いのは創作活動の中でこのような躁状態を維持したいからである。
しかし、偉人が苦しんだように躁状態の後には必ず鬱状態がくるのである、この状態は躁状態が高ければ高いほど、非常に深い鬱状態の苦しみを伴い日常生活ができないような代償を伴うのである。また、薬物には中毒性があり薬物中毒は完治が難しく、精神病院で一生を終えるということになりかねないのである。
4、精神疾患の治療法
では、偉人たちの精神疾患を治療するためにはどうすればよいのであろうか?
大元の問題が遺伝子にあるとすれば方法はないと思いがちであるが、実はそうではない。遺伝子が作り出しているのはたんぱく質である、精神疾患においては、このたんぱく質から作られるドーパミン、セロトニン、アドレナリンのような神経伝達物質が重要になってくるのである。
躁状態の時はこれらの物質が豊富に産出されるのであるが、鬱状態では極端に不足してしまうのである。従って精神疾患を治療するためには、人間をポジティブな方向に働かせるドーパミン、セロトニン、アドレナリンのような神経伝達物質を促すように働きかける必要がある。
では、どのようにしたら神経伝達物質を促せるのだろうか?
5、持論
私の持論では規則正しい”凡骨な生活”を送るに限ると思う。
普通に朝起きて
普通にご飯を食べ
普通に学校に行ったり仕事をしたり活動して
またご飯を食べ
普通に眠る
極々当たり前のことであるが、後世に名前を残すような人物は自分の世界を極めるがあまり、この”凡骨さ”を蔑ろにしているから、生活がめちゃくちゃになり、平々凡々な人間であれば当たり前のように出せるであろう神経伝達物質もまともに出せなくなってしまったのではないかと私は考える。
やはり、改めて人生を振り返ってみると還暦を過ぎた今でも健康で文化的な生活を営めていることから、平々凡々な人生でもよかったのかなと思わずにはいられない。
これは決して負け犬の遠吠えなどではない。心からの本心である。
凡骨万歳。
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