会社を興すときの資金の集め方<2>

2021年5月5日

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1、はじめに

会社を興すときの資金の集め方<1>で説明したように、資金の集め方には          ①株式を発行して返還する必要のない資金を集める。                    ②債券発行か借入れで利子払いや償還払いなどの支払い義務のある資金を集める。       の二つがある。                                     ところで、①のほうが支払い義務がないので誰しも望む資金調達法であるが、いろいろの制約があるので困難なことが多い。一方、②に関しては利子と元本の償還さえすれば誰も文句は言わないので、ある意味では容易な資金調達法である。ところが、世の中には発行時は②の債券でありながら、途中で①の株式に変わっていくような債券であるCB(転換社債型新株予約権付き社債)、新株を購入できる債券であるWB(ワラント債、新株予約権付社債)、ストックオプションというものがある。これらは潜在株式と呼ばれ、債券発行段階では株式ではないが、株式転換(CB)や権利行使(WB,ストックオプション)した段階で普通株式になるものである。さらに、最近のインターネット環境で大きく注目されているクラウドファンディングがある、これなども有力な資金調達法である。各々について説明していく。

2、CB(Convertible Bond、転換社債型新株予約権付き社債)

CBは発行時は債券であるが、投資家の選択により株式と交換(これを転換という)可能である。転換するかしないかは、市場における株価が転換価格(転換価額、行使価格ともいうが発行する時点で決められている、最近は途中で転換価格が変わるものもある)より高いとき、投資家はCBを株式に転換して売却すると差額分の値上がり益(キャピタルゲイン)がえられる。CB自体も市場で売買されCB市場価格はほぼ株価に連動する、つまり、CBは債券としての側面と株式としての側面を併せ持つ金融商品といえる。最も重要な転換時期は発行日の翌月から償還日の直前までに設定されるのが一般的であるが、転換するかどうかは投資家の権利であり一度転換したらもとには戻れない。市場株価が転換価格よりも高いときは転換権利を行使し利益を売るが、その後に株価が下がり転換価格よりも安くなれば権利行使しことが損になる。すべて、投資家の責任で行うことである。

3、WB(Warrant Bond,新株予約権付社債)

WB債(ワラント債)はあらかじめ決められた値段で発行会社の新株を買うことができる権利(ただし、権利行使には期間があり、その期間を過ぎれば権利は消滅する)がついた社債である。CBと似ているが、違うところは権利を行使して新株を買っても、償還まで債券が消滅せず債券部分の残高が変わらないので、権利行使後も利子と償還時の額面金額をもらえることです。欠点は普通の社債よりは利率が低いことです。儲け方はCBと同じで、株価の市場価格が行使価格よりも高くなった時に権利を行使して新株を購入し、すぐさま市場で売ればその差額が利益となる。この後、利子ももらえ、額面価格の償還もあるので投資家にとっては有利な商品といえる。

4、ストックオプション

以前、ブログで書いたことようにストックオプションは自社株購入権のことで、あらかじめ決められた価格でその会社の株式を取得できる権利を与える制度である。この会社の株価が市場で権利行使価格よりも高くなれば、ストックオプションを有する従業員はこの権利を行使し市場価格と行使価格の差が利益となる。ベンチャー企業のような中小企業は株価の値上がり高が非常に大きい場合があるので、そのようなときに莫大な利益を受けられる。この方法は会社を興すときに資金というよりは優秀な人材を確保するためのエサとして使われることが多い。つまり、優秀な人材を確保すべく、報酬を金の代わりに”将来上がる見込みの株価”を支払う制度といえる。権利を受け取った従業員や取締役は株価が上昇するように業績向上に高い意識を持つようようになるというインセンティブが働くことになる。

5、クラウドファンディング

この語源は群衆(クラウド、雲のほうのクラウドではない)+資金調達(ファンディング)を合わせたものである。インターネットを介して広く呼びかけ、不特定多数の人から出資を募る仕組みである。目的に賛同した個人が少額から出資できるのが特徴である。資金を集める人を「実行者」、資金提供者を「支援者」という。インターネットでつながっているので、実行者と支援者はコミニュケーションが密に取れるという特徴もある。クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「金融型」があり、購入型の支援者はモノ、サービス、権利などが受けられ、寄付型は見返りを要求しないものであり、金融型は金銭的なリターンを得るものです。ベンチャー企業に最も適した型は購入型である。その理由は資金がないのでモノ、サービス、権利などで見返りをあたえられるからである。寄付型は理想的であるが、世の中そんなに甘くはないと思われる。

6、最後に

以上、述べてきたように資金調達法にはいろいろあり、ビジネスが有望であれば大きな資金を売る方法はいろいろあるということである。一にも二にもそのビジネスでどの程度の利益が出せるかにかかっているのであり、極端に言えば自己資金などは良いアイデアがあればゼロでも構わないのである。資金を貸してそれで利子を稼ぎたい、株式で高配当を得たいという銀行や証券会社、また株式の値上がりで儲けたい人は山ほどいるのである。大事なことは、利益を出し続けて会社が成長し続けるかどうかということである、これからビジネスを始めたい人や、一人でビジネスをやり続けたい人も、金がないから自分のアイデアを実現できないなどとは決して思わないでほしいのである。利益を出し続け、絶え間なく成長し続けることが最も重要なことなのである。

 

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