この10年で6倍になった投資先はインドネシア

2020年9月26日

「インドネシアは成長の条件をすべて整えている珍しいケース」

ある投信会社のマネージングディレクターがいいました。人口規模、国土面積(資源力)、適正な株式市場規模、安定した民主政治、この4つのカードが揃うなら、その国の成長は約束されたようなものだと。

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世界中の新興国が注目を浴びた21世紀初頭

2001年以降、断続的に新興国投資がブームとなっています。米投資銀行ゴールドマンサックスのジム・オニール氏がBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の新興4ヵ国)なる造語を初めて使って、この4ヵ国の経済規模が相当大きくなるとレポートしたのが、2001年11月のことでした。

以来、VISTA、NEXT11、IBSACなど、BRICsに続けとばかり、ベトナムや南アフリカ、エジプトにトルコと、あらゆる新興国(あるいは新興国候補)を取り込んでのさまざまな造語が生み出されました。

しかし、それらの国々を、それどころか世界中の国々を振るいにかけたのが、同じく米投資銀行の、あの破綻劇でした。2007年9月のことです。

インドネシア株式市場は10年で6倍に成長

そのリーマンショックを迎えるまでの間、新興国はほぼ順調に成長してきました。しかし、先進国がダメージを受け、新興国に投資をしていた資金が引き揚げられるやいなや、もともと経済規模の小さな新興国は景気が一気に冷え込み、先進国を超えるほどの落ち込みに苦しむこととなりました。

とはいえその後の回復も早く、沈む時はどこよりも激しく沈み、浮き上がるときはどこよりも急騰するというのが、新興国株式市場の特徴といえます。実際、インドネシア株の推移を見ると、リーマンショックで1111ptまで下げたものの、その後およそ6倍へと、急回復・急成長を遂げています。

(参照:SBI証券)

すべての新興国がこのような状況にあるわけではありません。リーマンショック当時の株価にさえ届かず、回復したとはいえ伸び悩む国もあります。ところがインドネシアは2009年に現ユドヨノ大統領が2期目を迎え、安定した民主政治の時代に突入したと見られ、いよいよ資金が集まるようになり始めました。安定した民主政治は、経済の安定につながっているのです。

地理的にも中心に近いインドネシア

インドネシアはアジアの1万を超える島々からなる国です。周辺には何よりも巨大な消費圏として成長を遂げつつある中国、そしてインドがあり、また南には資源大国オーストラリアも頼もしく存在します。

日本がそこに加われているかは実に微妙なところですが、アジアの経済圏は世界的に見て、今後ますます重要になっていくであろうことが、おそらく下のような世界地図を単に眺めているだけでも、容易に想像できるのではないでしょうか。アジア以上にHOTな国々はそうそう見当たりません。唯一、ブラジルの強さが叫ばれることがありますが、オリンピックも終わり、中国やインドとの距離を考えると、孤立感が否めません。

アジアの次はアフリカ?世界のマネーは常に収益を求めて

グローバルの名のもとに、モノも、マネーも、簡単に世界を駆け巡る時代になりました。それでもなお、地理的あるいは政治的要件を無視することはできず、いまはアジアが最も注目される存在であり、次いでやってくるのが、アフリカであると言われています。

経済の生産拠点もしくは消費拠点として、世界がどのような地図を描いているのか、描いていこうとしているのか、そうしたグローバルな視点で眺めてみると、投資で儲けるためにどこにお金を置いたら面白そうか、おぼろげながら見えてくるというものです。

新興国投資のチャンスはやがて来るショックのあとで

ちなみに、インドネシアを紹介しているのには理由があります。2001年のゴールドマンサックスのレポートでBRICsに世間の注目が集まり始めた当時、実はすでに機関投資家の間では、「インドネシアがくる」との話が持ち上がっていました。

しかし金融のプロたちはリスクが気になって手を出しにくかったのです。それは政治です。ユドヨノ政権が誕生しただけでは足りず、再選されて2期目に突入してようやく、クーデターの心配が去り、政局の安定を信じることができるようになったのです。

金融界がインドネシアに注目し始めたのが2001年頃、実際に投資のGOサインが出たのが2009年頃、ということになります。たとえばアフリカへの投資も、実際に触手を伸ばすのは、まだまだ数年、数十年先となることでしょう。

そのうちまた、なんらかの経済ショックが世界を駆け巡ります。常に順調というわけにはいきません。そのときこそ、底力のある新興国への投資が楽しみとなるチャンスかもしれません。

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